Fマウントユーザーからミラーレスカメラと共に発売を期待されていたマウントアダプター。
Zマウントレンズはまだまだ数が少ないですし、予算的にも一気にレンズを買い換えるのは大変です。
期待通りにマウントアダプター(FTZ)は発売されるようですが、いったいどれほどの出来なのか!?
この記事ではマウンタアダプター(FTZ)の概要から気になる点について書いてみたいと思います。
目次
マウンタアダプター(FTZ)の概要
参考:nikon-image
これがFマウントレンズを活かすために欠かせないマウントアダプターです。重さは約135gで少々重いです。ミラーレス機(約675g)と合わせると約810gとなりD750(840g)並になります。
それと形は下側が凸としています。
参考:nikon-image
カメラ底よりも下に凸とする!?
特徴としては
- Fマウントレンズ+一眼レフカメラと同等のAF・AE性能、画質が得られる
- シーリングによりZ 7、Z 6と同等の防塵・防滴性能を確保
- デザインも調和して良い
- 鏡筒と三脚座にマグネシウム合金を使用し堅牢性を確保しながら軽量化
とのこと。
個人的に1番大切だと思うのは一眼レフカメラと同等のAF・AE性能、画質が得られるという点です。画質は何となく問題ないだろうと思いますが、AFの使い心地など心配ではあります。追従性とか精度とか。
そして、すべてのレンズでAF(オートフォーカス)できる訳では無いようです。レンズの種類によって出来ることが変わってきます。
この点について少しまとめてみたいと思います。
マウンタアダプター(FTZ)でAF(オートフォーカス)できるレンズできないレンズ
ちなみに、現行のレンズであれば殆どAF(オートフォーカス)できるようなのであまり心配はなさそうです。
ただ、注意は必要です。
レンズ名を見ればAF(オートフォーカス)できるか判断可能
アルファベットの羅列に見えるレンズ名称ですが、その1つ1つに意味があり、これを見ればマウンタアダプター(FTZ)でAFできるか否かを判断できます。
それをズバリ言うと、レンズ名に「AF-P」、「AF-S」、「AF-I」と書かれていればとりあえずアダプターでAF可能です。
具体例で見てみます。
- AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR
- AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
- Ai AF-I Nikkor ED 300mm F2.8D
- AI AF-S Zoom-Nikkor 17-35mm f/2.8D IF-ED
これらのレンズには名称にそれぞれ「AF-P」、「AF-S」、「AF-I」と書かれています。よってマウンタアダプター(FTZ)でAF可能です。
一方で、「AF-P」、「AF-S」、「AF-I」と書かれていないレンズはアダプターでAF不可です。
例えば、「AF」としか書かれていないレンズです。
- AI AF Zoom-Nikkor 24-85mm f/2.8-4 D IF
- AF Zoom Nikkor 28-100mm F3.5-5.6G
これらのレンズ名には「AF」としか書かれていません。よってマウンタアダプター(FTZ)でAF不可です。マニュアルフォーカスでの撮影となります。もちろん、「AF」とすら書かれていないレンズもAF不可です(MFレンズ)。
ただし、AF不可でもフォーカスエイド(ピントが合うとファインダー内の端に○印で教えてくれるやつ)が使えるレンズがあります。
それが「AF」と書かれていて更に「G」と「D」と書かれているレンズです。GタイプとDタイプのレンズですね。
つまり、先ほどのAF不可だと言ったレンズ
- AI AF Zoom-Nikkor 24-85mm f/2.8-4D IF
- AF Zoom Nikkor 28-100mm F3.5-5.6G
これらはAF不可ですが「D」や「G」と書かれているので、マニュアルフォーカス時にフォーカスエイドは使えます。多分かなりの数のレンズでフォーカスエイド使用可能だと思います。もちろん、AF可能レンズはフォーカスエイドも使用可能です。
ちなみに、GタイプやDタイプが何かについて知りたい場合は過去記事にまとめてあるのでよろしければ参考にしてください。
参考:Nikon(ニコン)のレンズについての予備知識
そもそもAFできるできないは何の違いなのか!?
そもそもマウントアダプターでAFを使えるか否かの違いは何によるものなのでしょうか!?
それはAFモーターのようですね。
AFをするのにはそれを駆動させるモーターが必要です。このモーターがレンズ内に搭載されているレンズが「AF-P」、「AF-S」、「AF-I」と書かれたレンズとなります(「AF-I」がコアレスモーター、「AF-S」が超音波モーター、「AF-P」がステッピングモーター)。
「AF」としか書かれていないレンズは、AF機構はあるもののレンズ内にモーターが搭載されていません。この場合は、カメラボディ内に搭載されたモーターの力でAFを駆動させることになります。
上はD7000のマウント部分ですが矢印の部分がドリルのように回転し動力をレンズに伝えます(この部分をAFカップリングと呼ぶ)。一方で、レンズのマウント側にはこのドリルのようなものが刺さる穴があり動力を受け取ります。
見た所、マウンタアダプター(FTZ)にはAFを駆動させるモーターは搭載されていないようです。ミラーレス機の方にもモーターは内蔵されていません。
なので、レンズ内にAFを駆動させるモーターが搭載されている「AF-P」、「AF-S」、「AF-I」のレンズでないとAFできないようですね。
※追記:Z7にFTZを付けている動画あったので貼ります。
その他にマウントアダプター(FTZ)で気になる点
手ぶれ補正は!?
マウントアダプターを使用しても基本的にボディ内手ぶれ補正は使用可能です。
ただし、ニコンHPには「VR(手ぶれ補正)機構を搭載しているレンズでは、レンズのVRとカメラ内VRが共働し、3軸の手ブレ補正が使用可能」と書かれています。
あれ!?3軸の手ブレ補正!?
もともとボディ内手ぶれ補正は5軸なので少し効果が落ちるのでしょうか!?それかレンズ側で2軸、ボディ側で3軸で合計5軸相当になるってこと!?この辺りはよく分かりません。
参考:NikonHP:マウントアダプター FTZ
また、VR機構を搭載していないレンズでもボディ内手ぶれ補正は使用可能。効果のほどは分かりませんが(Zレンズ使用時よりは落ちるようです)。
非CPUレンズ(一部のすごく古いMFレンズ)ではカメラ側で焦点距離を設定することでボディ内手ぶれ補正は使用可能とのこと。
本当に堅牢!?
マウントアダプターは「マグネシウム合金を使用し堅牢性を確保している」とのことですが、「質量が1300gを超えるレンズをカメラに装着した状態で、カメラだけを持ったり、カメラのストラップを使ったりしないでください。カメラのマウント部分が破損するおそれがありますので、必ずレンズを持ってください」との注釈がありました。
参考:NikonHP:マウントアダプター FTZ
アダプターなので仕方ない部分のありますが少し不安ですよね。私の所有しているレンズならニコン200-500㎜F5.6は気をつける必要があります。
純正大三元レンズだとAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8Eが1430gなので注意が必要です。
サードパーティ製レンズは!?
シグマやタムロンなどのサードパーティ製レンズについては一切言及がないので動作不明です。ニコンに問い合わせてみましたが「サードパーティ製レンズは動作確認していないので不明」と言う返答でした。
※追記:シグマのレンズでも動作問題ないようです。ただし、タムロンはダメなようです。
参考:シグマの現行レンズとニコンZ7の組み合わせで一般動作に問題がないことを確認
参考:ニコンZシリーズ注意点③(タムロン製レンズ装着時の挙動について)
いずれにせよ、もし使えたとしてもサードパーティ製レンズでもAFモーターが内蔵されていないとAFは無理でしょうね。シグマなら「HSM」、タムロンなら「NII」や「USD」と書かれていればAFモーター内蔵タイプです。
また、ボディ内手ぶれ補正との連動性についても分かりません。ニコンはマウントの使用は公開していないようですし。
ちなみに、価格については単体で買うと3万6500円です。
まとめ
マウントアダプターはほとんどの人が使うと思います!
肝心の使い心地はどうなるのでしょうか!?