夏場の撮影や登山で問題となるのが虫です。蚊やブヨが周囲をブンブン飛び回ると本当に嫌ですよね。
また、ダニも大問題。噛まれると病院行きですし、マダニが媒介する感染症による死亡例もあります。
ということで、虫除けスプレーは必須ですが、調べてみると虫除けスプレーにも色々と種類があるようなので、記事にまとめてみたいと思います。
目次
虫除けスプレーは成分により3つの分けられる
虫除けスプレーの3つの成分とは!?
蚊などの虫(吸血害虫)は人間が発する二酸化炭素、温度、湿度、匂いなどを認識し近寄ってきます。
虫除けスプレーは、吸血害虫のこうした感知能力を撹乱し、吸血行動を阻止する効果を持っています。たとえ吸血害虫が肌に止まったとしても、血を吸うところがわからなくなり刺されないというわけです。
それで、虫除けスプレーは成分により概ね3つに分けられます。その成分か以下の通りです。
- ディート
- イカリジン
- ハーブなどの天然成分
ディートは1950年頃開発された、古くからある虫除け成分で、虫よけの王道みたいなものです。2016年から高濃度(30%配合)のものが日本でも販売されています(低濃度のものは以前から使用されていました)。
イカリジンは1986年にドイツで開発された新たな虫よけ成分であり、2015年になって日本でも虫よけ成分として承認されました。日本においては比較的新しいです。
あとは虫が嫌うハーブを用いるものです。ハッカなどは有名ですね。ただし、ディートやイカリジンに比べ効果は弱いので、この記事では省きます。
では、ディートやイカリジンの違いをご説明する前に、濃度による違いをご説明したいと思います。
濃度による違いは!?
ディートやイカリジンが配合された虫除けスプレーには、商品により配合濃度が異なります。濃度が高い方が、効果が強そうですが、そうではありません。
実は、濃度の違いにより効果の持続時間が変わります。
ディートでは濃度5%では約90分、10%で約2時間、30%で5~8時間虫除け効果が持続するとされています。イカリジンでは濃度15%でおおむね6~8時間です。
なので、登山や撮影なら高濃度の虫除けスプレーの方が無難だと思います。特に汗を掻くと持続時間は短くなりやすいので、低濃度ではすぐに効き目が切れてしまいそうです。
次に、ディートとイカリジンの違いについて解説したいと思います。
ディートとイカリジンの違い。メリット・デメリットについて
幅広く効果が期待できるのはディート
幅広く効果が期待できるのはディートになります。ディートは対策できる虫が蚊、ブヨ、アブ、マダニ、イエダニ、ノミ、ナンキンムシ(トコジラミ)、ヤマビル、サシバエなど幅広です。
一方で、イカリジンは基本的には蚊、ブヨ、アブ、マダニとなります(イエダニ、ナンキンムシ、ヤマビルにも効くようですが、効果は限定的なようです)。ちなみに、イカリジンはノミ、サシバエ、ツツガムシなどには効果が報告されていません。
というように、ディートの方が対策できる虫が多いのが現状です。ちなみに、効果の強さ自体はディートもイカリジンも同等とされています。
子供でも安心なのがイカリジン
ディートは安全性の点で若干の注意が必要です。特に子供には使用回数に制限があります。
小児(12歳未満)に使用させる場合には、保護者等の指導監督の下で、以下の回数を目安に使用すること。なお、顔には使用しないこと。
・6か月未満の乳児には使用しないこと。
・6か月以上2歳未満は、1日1回
・2歳以上12歳未満は、1日1~3回厚生労働省「ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について」より引用
というような感じです。
一方、イカリジンに関しては使用上の年齢制限等はありませんし、塗り直しの回数制限もありません。小さな子供にも使いやすいというのがイカリジンの大きなメリットですね。
もちろん、ディートでも使用回数を守れば子供でも問題ありませんし、大人の使用であれば特に気にすることもないかと思います。
ディートは合成繊維を劣化させるかも
高濃度のディートは繊維や樹脂や傷めることが知られています。なので、ディートを配合した虫除けスプレーを衣服に対して使用した場合、変色、劣化の恐れがある。特にポリエステル、ポリウレタン等の合成繊維を痛める可能性があります。
なので、衣服にかけるのは止めた方が良いです。特にアウトドアウェアは合成繊維が多いですからね。
ただし、イカリジンでも同様の使用上の注意が記されているので、イカリジンは衣服を痛めないと言い切れるわけではありません。
いずれにせよ、虫除けスプレーは肌に塗るものなので、衣服にかけてもあまり意味がないでしょう。
以上をザックリとまとめるとこんな感じです。
ディート | イカリジン | |
効果の範囲 | 広い | やや狭い |
年齢・使用回数などの制限 | あり | なし |
合成繊維などへの影響 | 注意が必要かも | 影響は少ない!? |
使用する人やシーンに合わせた虫除けスプレーを使おう
ディートとイカリジンには上記したような特徴がありますが、中学生以上が撮影や登山などのアウトドアに使用するには、幅広く効果の期待できるディートを高濃度に配合した虫除けスプレーが良いかもしれません(ディートは10%以下が医薬部外品、12%以上は医薬品となります)。
あとは海外旅行などでもディートが良いでしょう。ベッドにダニやノミがいることもありますからね。
一方で、小さな子供や、大人でも肌の敏感な人はイカリジンを配合した虫除けスプレーが良さそうです。
ディート 30%の虫除けスプレー
【第2類医薬品】医薬品 サラテクトミスト リッチリッチ30 200mL
これらがディート 30%配合の虫除けスプレーです(ディート 12%以上は医薬品となる)。およそ5~8時間効きます。ディート高濃度配合なので12歳以上からの使用となりますが、現状では最も効果の見込める虫除けスプレーと言えるでしょう。
ちなみに、そこまで高濃度でなくとも・・・という方にはこちら。
サラテクト ミスト 虫よけスプレー 200mL 朝使って夜まで虫除け
これはディート 10%配合となります。使用回数を守れば生後6ヶ月からの幼児にも使えます。
そこまで長い効果時間が不必要であれば、これでも良いかもしれませんね。
イカリジン 15%の虫除けスプレー
天使のスキンベープ 虫除けスプレー イカリジン ミストタイプ 200ml プレミアム ベビーソープの香り
こちらはイカリジンを15%配合した虫除けスプレー。およそ6~8時間しっかり虫除け効果を発揮します。肌に優しく小さな子供や肌の敏感な人にも使いやすい点が良いです。ちなみに、私は肌が弱めなのでこれを使っています。
なお、イカリジンを30%配合した商品は現状ではないようですね。
まとめ
吸血害虫は撮影や登山の敵です。体調を害したり、感染症の恐れもあるので、しっかり対策したいですね!
最近ではミストタイプのボトルが売られていますが、個人的にはこのタイプが好みです。シュシュっとかけて手のひらでササっと伸ばせるので。
とても参考になりました。
毎年夏にレンゲショウマを撮影に行くのですが
花の綺麗さとは似合わず花の咲く環境が
ジメジメとした陽の当たらない場所なので
撮影時にはネット付き帽子、長袖、手袋で極力肌を出さないように
していても蚊に刺されます。
虫除けスプレーは、必須アイテムです。
mickeyさん
参考になってよかったです!
肌に塗りムラがあると刺されるようなので気をつけてください!