天気予報サイトは色々ありますが、GPV天気予報は便利でよく当たる天気予報だと個人的に思っています。
それでGPVが2017年6月にSCWとしてバージョンアップされていました。
なので、GPVとSCWの違いに触れつつ、使い方についても書いてみたいと思います。
ちなみに、天気予報サイトについては、詳しくまとめた過去記事があるので、よろしければこちらも参考にしてください。
参考:よく当たる天気予報サイトはどれ!?天気予報に振り回されるのはもう嫌だ!
目次
GPV、SCW天気予報とは
GPVは「Grid Point Value(格子点値)」の略です。
Grid Point Value(格子点値)というのは、地球上を一定の距離で格子状に区切り(5kmや20km四方)、コンピュータで多岐にわたるシミュレーションを行い、各地点の推移を予測し数値化したものです。
何のことか分かりにくいですが、実際にGPV天気予報を見てみるとこのような感じです。地図は北海道。
たまに衛星画像と勘違いされる方がいますが、衛星画像はただの過去の写真、一方でGPVは未来の雲の動きを予測したものです。
また、GPVは雲の動きのみならず、風向きや風速、気温や湿度の予報もできます。
便利ですね。
なので、GPVは普通の天気予報のように、晴れマークや曇マークで天気を教えてくれるわけではありません。
普通の天気予報とは毛並みが違います。
そして、SCWは「Super C!? Weather(Cはちょと不明)」の略で、基本的にGPVとやっている事は同じです。ただ、使い勝手の点で違いがあります。これについては下で書きます。
では、GPVとSCWの使い方をみてみましょう。
GPVとSCWの使い方
GPVの使い方
まず、GPVは2つの予報モデルがあります。
それが「詳細モデル(39時間)」と「広域モデル(264時間)」です。
詳細モデルは5kmメッシュで細かな気象予報を確認できます。1時間区切りで予測時間39時間まで天気予報を確認可能です。また、詳細の場合ではエリアを「道北、道南、北東北、南東北、関東、中部、近畿、中四国、九州、沖縄、奄美、伊豆諸島」から選べます。
広域モデルは20kmメッシュで比較的大まかな天気予報を確認できます。1時間区切りで予測時間264時間(11日間)まで天気予報を確認可能です(途中から3時間区切りになる)。そして、エリアは「東日本、西日本、西南諸島、日本」という大きな括りで選びます。天気の大局を見る感じですね。
あとは、「雨量・曇量」、「気温・湿度」、「気圧・風速」から見たいものを選びます。
試しに、よく使う「雨量・曇量」を見てみましょう。
左が詳細(エリアは道北)、右が広域(エリアは東日本)です。
見方は以下の通りです。
まず、黒い部分が雲量0〜10%(快晴)で、白が濃くなるにつれて雲量が増えます。真っ白は雲量90〜100%のドン曇です。雨が降る場合は「紫〜青〜緑〜赤」になるにつれて雨量が増えます。
そして、時刻を変えれば予報が動いて行きます。自分の知りたい地域と時間で天気を確認しましょう。
GPV真っ黒は登山日和ですし、フォトグラファーにとっては星撮りの大チャンス。
GPV真っ黒は最高です。
問題点としては、見ての通り地図に地名などの記載がないので場所を探しにくいです。よっぽど地元でないと、大体の場所は分かっても、正確な場所が判断しにくい。ただ、これはSCWで克服されています。
それから雲量は分かっても、雲の質までは分からないです。雲量90〜100%であっても鱗雲みたいなものかもしれませんし、薄曇りで日暈がでるかもしれないし、本当にドン曇かもしれません。これはSCWも状況です。
ただ、長い間、GPVと実際の天気をよく観察していると、何となくこんな雲かなと予測が付くようになります。あるいは、日本気象協会のtenki.jpなどの他の天気予報と組み合わせるのも良いです。情報源は複数あった方が優位です。
SCWの使い方
SCWの使い方も、基本はGPVと同じです。
違う点としては、まず国土地理院!?の地図が導入されており、場所を探しやすくなっています。
これは便利です。
それからGPVでいうエリアの選択がなくなり、地図をドラッグすることで移動や拡大ができるようになっています。
地図の移動や拡大がGPVよりも非常に便利です。
全体的に使い心地はSCWの方が良いです。ただ、GPVの単純な仕様も分かりやすくて良いですが。
あとはSCWにはGPVにはなかったモデルがいくつか追加されています。「局地」が追加され、詳細や広域もそれぞれ2つに分かれています。加えて「予測」と「観測」という項目も追加されていますね。
これについては下で解説します。
GPVとSCWのモデルの違い
GPVは「詳細(5kmメッシュ、39時間予報)」と「広域(20kmメッシュ、264時間予報)」の2つのモデルがありました。一方で、SCWは「局地」、「詳細」、「詳細51」、「広域」、「広域264」のモデルがあります。
まず、GPVの詳細は「1日8回の更新」、そして広域は「1日1回の更新」です。ちなみに、更新頻度が高い方が最新のデータが反映されるので当たる確率が上がります。
SCWでは「詳細」、「広域264」が、それぞれGPVの「詳細」と「広域」に該当します。
そして、SCWの「詳細51」は予測時間51時間で更新1日2回です。「詳細」ほど更新頻度は高くないけれど、予測時間が12時間伸びました。さらに、「広域」は予測時間84時間で更新1日4回です。「広域264」ほど予測時間は長くないけれど、更新頻度が増します。
さらに、SCWは「局地」と呼ばれるモデルが追加されています。まず、「局地」は2kmメッシュで細かいです。地形による局地的な天候の変化もより精度を増して予測可能になるらしい。また、予報時間間隔が30分で細かく(他のモデルは1時間間隔)、しかも更新回数1日24回で予測精度が向上します。予測時間は2時間(月税別280円の有料会員は10時間)です。無料だとちょっと短いですね。
有料ですが局地モデルの10時間があれば、「今夜の星撮りどうしよう」とか、「明日の朝活どうしよう」とか、こんな時に役立ちそうです。
図にするとこのような感じ。
GPV | SCW | |
局地モデル (2kmメッシュ) 2時間予測 (有料10時間) 1日24回更新 |
× | ○ |
詳細モデル (5kmメッシュ) 39時間予測 1日8回更新 |
○ | ○ |
詳細51モデル (5kmメッシュ) 51時間予測 1日2回更新 |
× | ○ |
広域264モデル (20kmメッシュ) 264時間予測 1日1回更新 |
○ (名称は広域) |
○ |
広域モデル (20kmメッシュ) 84時間予測 1日4回更新 |
× | ○ |
SCWの方が柔軟に予報できるようですね。
ちなみに、SCWの「予測」、「観測」の項目については、「予測」はそのまま天気予報で、「観測」は「雲観測マップ」のことです。
雲観測マップは、これまでの雲の状況(雲の種類とか)について見られるようです。
ただし、これは将来の予報ではなく、過去から現在の雲の解析です。もしかしたら、局地モデルと雲観測マップを併用すれば、今までよりも予測しやすくなるかもしれませんね。
更新時間
それぞれのモデルに更新時間があるのでまとめておきます。
局地モデル
更新時間 | 毎時40分(1日24回) |
詳細モデル
更新時間 | 2:23, 5:23, 8:23, 11:23, 14:23, 17:23, 20:23, 23:23(1日8回) |
詳細51モデル
更新時間 | 11:23, 23:23(1日2回) |
広域モデル
更新時間 | 1:30, 7:30, 13:30, 19:30(1日4回) |
広域264モデル(GPVでの広域モデル)
更新時間 | 4:40(1日1回) |
予報が待ち遠しいならこの時間にチェックです。
雲海を予測してみよう
北海道で有名な津別峠の雲海の予測してみたいと思います。ただし、私は天気予報士でもないので、眉唾で読んでください。
津別峠の雲海は6,7,8月によく見られます。発生要因は寒暖差もあるし、あとは太平洋から流れてくる海霧もあります。太平洋で発生した霧が風に乗り、根室や釧路の平野を超えて、知床半島から阿寒に至る山々にぶつかることで大雲海になるようです。
その場合、このような様子になります。
これで風の弱い時は雲海の可能性が高いです。さらに、釧路や弟子屈あたりに濃霧注意報が出ていれば完璧。
もちろん、これ以外でも雲海は発生していますし、このパターンでも雲海じゃない時もあります。GPV真っ黒でもよく雲海が出ます。あくまでも参考程度に・・・。
あと、基本的に雲は西から東へなど移動していますが、たまに夜から朝方にかけて、その場で現れて消える雲があります。
分かりにくいですが、上のようなパターンです。これも朝霧であることが多い気がします。
あくまでも個人的な観測なので眉唾で見てください。
まとめ
以上、GPVとSCWの違いと使い方でした!
ものすごく便利な天気予報なので、ぜひ活用してください!