現像・レタッチ

トーンカーブとは。トーンカーブの基本形16パターンを覚えて役立てよう!

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トーンカーブはレタッチの際に非常に使用頻度の高いツールの一つです。

これをいじるだけでかなりの範囲のことが可能となります。ただ、扱いが割と難しく、ややもすると画像に破綻を起こします。

ということで、今回はトーンカーブについて簡単に説明し、16個の基本形についても書きたいと思います。この基本形を知っているだけでトーンカーブは随分と扱いやすくなります。

トーンカーブとは

ご存知の通りこれがトーンカーブです。

まず、斜め45度の線(トーンカーブ)があります。そして横軸に入力、縦軸に出力があります。もっとざっくり言うと、横軸が元画像の階調(明るさ)縦軸が補正後の画像の階調(明るさ)となります。

そして、トーンカーブを上にも持ち上げると写真が明るくなり、下げると写真は暗くなります。

実際にご自分の画像でトーンカーブを上下させてみると、画像が明るくなったり暗くなったり変化するはずです。

 

では、なぜトーンカーブを上下させると明るさが変わるのか。

トーンカーブが直線で斜め45度の場合(デフォルト状態)、横軸(元画像の明るさ)と縦軸(補正後の画像の明るさ)は同じです。

次に、トーンカーブを持ち上げます。

トーンカーブが上に凸となることで、横軸(元画像の明るさ)と縦軸(補正後の画像の明るさ)に差ができています。

この差の分だけ、横軸の明るさだった部分が、縦軸の明るさに変わったということになります。

これでトーンカーブ上に持ち上げると画像が明るくなるわけです。また、トーンカーブを下げた場合でも同様のことが起きます。

 

さらに、トーンカーブの角度も大切です。

トーンカーブが斜め45度よりも急な場合、コントラストが上がり、彩度も上がります。一方で、トーンカーブが斜め45度よりも緩い場合、コントラストが下がり、彩度も下がります

まず、シャドウ側を見てみましょう。トーンカーブが斜め45度よりも急になっています。

こうすることで、シャドウ域は入力の幅よりも、出力の幅が広がっていますね。このために補正後のシャドウ域に明暗差が生まれ、コントラストが上がります。明るさの幅が広がるので階調が出るとも言える。彩度も高まる傾向です。

逆に、ハイライト側はトーンカーブが斜め45度よりも緩やかになっています。

なので、ハイライト域は入力の幅よりも、出力の幅の方が狭まっていますね。このために補正後のハイライト域では明暗差が低下し、コントラストは下がります。明るさの幅が狭まるので階調が狭まるとも言える。彩度は落ちる傾向です。

まとめると、

  • トーンカーブを上にする・・・明るくなる
  • トーンカーブを下にする・・・暗くなる
  • トーンカーブが斜め45度より急・・・コントラストと彩度が高まる
  • トーンカーブが斜め45度より緩・・・コントラストと彩度が低下

このようになります。

トーンカーブの基本形16パターン

明るく・暗く

上にも書きましたがトーンカーブの中央にポイントを作り、上げると明るく、下げると暗くなります。

最もシンプルは形です。

ローキー・ハイキー

45度の斜めのまま線を下へ動かすとローキーになります。

今度は45度の斜めのまま線を上へ動かすとハイキーになる。

白とび・黒つぶれを抑える

シャドウ側とハイライト側にポイントを作り右端を下げると白つぶれを抑えられます。

さらに、左端を上げると黒つぶれを抑えられます。

コントラスト強弱

シャドウ側とハイライト側にポイントを2つ作り、カーブを逆S字にするとコントラストは弱まります。

逆に、カーブをS字にすればコントラストが高まります。

ローコントラスト・ハイコントラスト

今度は先ほどのように曲線にせず、直線のまま動かします。

シャドウの点を上へ、ハイライトの点を下へ動かすとローコントラストに。

今度は、シャドウの点を右へ、ハイライトの点を左へ動かすとハイコントラストになります。

ヌケを良く・ハイライトの階調を出す

シャドウ・中間・ハイライトの3つポイントを作り、ハイライトのポイントだけ上にあげると濁りが取れるようになり透明感が増します。つまりヌケが良くなります。

今度は、ハイライトのポイントを下げると、ハイライト領域の階調が高まります。

シャドウの階調を出す・引き締める

シャドウ・中間・ハイライトの3つポイントを作り、シャドウのポイントを上げると、シャドウ領域の階調が高まります。

逆に、シャドウのポイントを下げると、シャドウが引き締まります。

色を濃くする・軽くする

シャドウとハイライトに2つポイントを作り、それぞれ下げると色が濃くなった印象になる。

逆に上げると軽やかな色彩になります。

トーンカーブの注意点

基本的には2、3つ点を作り動かすのが扱いやすいと言われています。

あと、できるだけカーブは滑らかになるよう動かすのもポイントです。

上のようにカーブの向きが逆になると、色も大きく変わってしまうので注意です。

画像を確認しながら穏やかにいじるのがコツ。

Psでマスクを作るとより良い

Psでトーンカーブにマスクを施すとより細かな操作ができます。

上のようなマスクを作りトーンカーブの適用範囲をコントロールしてあげると、シャドウ側だけ操作できたり、ハイライト側だけ操作できたりと、より繊細なレタッチが可能になります。

慣れが必要かもしれませんが、チャレンジすれば腕も上がるはずです。

 

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まとめ

トーンカーブだけで本当に色々なことができます!

私もまだだま勉強が足りません!


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