現像・レタッチ

「Raya Pro2.0」で露出ブレンドしてみる!楽に完成度の高いマスクが作れて現像が楽しくなる!

投稿日:2017年3月24日 更新日:

最近、使い始めた「Raya Pro2.0」というソフト。

なかなかいい感じです。ただ、「Raya Pro2.0・・・なにそれ!?」という方も多いと思います。

ということで、簡単な使用例を書いてみたいと思います。「Raya Pro2.0」は奥が深そうですが、多分これが最もシンプルな使い方だと思います。

ちなみに、「Raya Pro2.0」は5,6000円くらいで決して安くはありませんが、私にとってはなくてはならないツールとなりつつあります。
参考:「Raya Pro 2.0」と「Nik Collection」を導入してみた!これから色々と写真の可能性が広がりそう!

Raya Pro2.0で露出ブレンドしてみる

今回はこの写真。

20170308-_DSC3375-Edit-Edit copy

NDフィルターを用いた海と朝日の写真です。

スローシャッターで朝日を撮るのは露出をコントロールするのがすごく難しいと個人的に感じています。

空を適正露出にしようとすると手前が黒つぶれ手前を適正露出にしようとすると空が白とびを起こしてしまいます。ということで、最初から露出を変えた画像を撮影してブレンドしようと作戦を立てていました。

その画像が以下の3枚です。

元画像3 copy

20170308-_DSC3375

元画像2 copy

焦点距離14㎜、F11、ISO100までは同じにして、シャッター速度だけを12秒30秒60秒と変えて撮影しています。

SS12秒の画像は全体的に露出アンダーですが空や朝日の様子が良い、SS30秒の画像は全体的に無難!?な感じ、SS60秒の画像は露出オーバーですが手前が黒潰れせずに良く写っています。これらの画像の良い部分だけを上手くブレンドして使いたいです。

ちなみに、フィルターはKANIのハーフND8ソフトとND64を使用しています。

私が感じた露出ブレンドのメリット

明暗差を克服できるのはもちろんなのですが、露出ブレンドをした画像はとても画質が良いなと個人的に感じました。ノイズも出ないし階調感も立体感も豊かです。

今回の撮影では、ちゃんとハーフNDを使用しているので写真にはそこまで大きく明暗差は出ていません。黒つぶれも白とびも多くはないです。

20170308-_DSC3375

これはSS30の画像ですが、これくらいならLrで段階フィルターや補正ブラシを使って露出を調整してあげればそれなりの写真になると思います。

ただ、それだとノイズが出たり、のぺっとして立体感に欠けるというか・・・不自然な感じになることも多いです。

一方で、露出ブレンドの場合だと画像を無理に調整しなくて済みます。というのも、明るさを変えて撮影した画像を組み合わせるだけなので、後処理でシャドーを上げたりハイライトを下げたりみたいなことが少なくなります。RAW画像も出来るだけ手を加えない方がやはり画質は綺麗です。

なので、ノイズも出ませんし階調感も抜群。露出ブレンドは各画像のいいとこ取りです。

スクリーンショット 2015-11-16 20.28.04

ちなみに、ハーフNDを使用してもこれなので、ハーフND無しなら尚更露出ブレンドやHDR合成が必要ですね。

HDR合成はソフトが自動で合成処理してくれるので簡単便利なのですが、合成が上手くいかなかったり、自分が意図したようにならないこともあります。その点、露出ブレンドは自由度が高いです。

では以下、使用例を見てみます。

Psで画像をレイヤーで重ねる

あらかじめ画像はLrでレンズプロファイルなどにチェックを入れておきます。あとホワイトバランスも同じにします。

それで右クリックからPsへ画像を渡します。

レイヤー3枚 2

画像はレイヤーで重ねます。また、名前も分かりやすいように変更しました。

ちなみに、左側のウィンドウがRayaProです。

ダークブレンド

まずは、SS30秒の画像にSS12秒の画像をブレンドしていきます。

元画像3_copy

上のSS12秒の画像は暗いですが、空と反射の部分が綺麗なのでそれを使いたいです。

ブレンドするレイヤーを選択してRayaProの「AUTO BLEND DARK」を押します。

ダークブレンド作業 2

そうすると自動で6つのマスクが製作されます。

ダークブレンド作業2 2

あとは好きな物を数字で選んで「Select」を押すだけです(今回は3番を選択)。これだけです。

2017-03-24 13.04.27

出来ました。

ちなみに、自動で製作されたマスクはこんな感じです。

ダークマスク

白い部分が表示、黒い部分が非表示になります。

なので、SS12秒の画像とこのマスクを組合わせるとこのように表示されます。

2017-03-24 12.01.52

背景は透明で下のレイヤーが見えます。

これの下にSS30秒の画像を重ねるとこうなります。

ダークブレンド後 copy

こうしてSS30秒にSS12秒の画像がブレンドされます。

では、比べてみます(1枚目はSS30秒、2枚目はSS30秒にSS12秒の画像をブレンド)。

20170308-_DSC3375

ダークブレンド後 copy

分かりやすく。

空と反射の部分が全然違いますね。

RayaProはクリックだけでここまで出来るのがすごい。自分ではここまでのマスクはなかなか作れません。

次にSS60秒の明るい画像をブレンドします。

ブライトブレンド

SS60秒で撮影した画像は、空は白飛びしていますが手前側は適正露出です。

20170308-_DSC3376 2 copy

なので、この手前側の部分を上手く使いたいです。

先ほどと同じ要領でブレンドするレイヤーを選択してRayaProの「AUTO BLEND DRIGHT」を押します。

ブライトブレンド作業 2

そうして自動で製作された6つのマスクから、今回は1番を選んで「Select」を押しました。

スクリーンショット 2017-03-24 9.45.42

出来ました。

マスクだけ見てみるとこんな感じです。

ブライトマスク1

白い部分が表示、黒い部分が非表示になります。

なので、SS60秒の画像とこのマスクを組合わせると、今度はこのように表示されます。

2017-03-24 12.02.14

背景は透明で下のレイヤーが見えます。

これの下に先ほどの画像を重ねるとこうなります。

3枚ブレンド後 copy

こうしてSS60秒の画像がブレンドされます。

では、比べてみます(1枚目はSS12秒のみブレンド、2枚目はそれにSS60秒の画像をブレンド)。

ダークブレンド後 copy

3枚ブレンド後 copy

分かりやすく。

手前側が違います。

これもクリックだけで簡単です。

あとは、ちょっとコントラストやホワイトバランスを整えて完成となります。

20170308-_DSC3375-Edit-Edit copy

今回はコントラストを少し緩めて、また青みが強かったのでホワイトバランスを上げました。あと、フィルターに水滴が付いていたまま撮影していたのでその跡も消去です。

まとめ

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ということで、ざっくりとRayaProを用いた露出ブレンドを見てみましたが、やってみると意外と簡単なものです:)

細かな違いかもしれませんが、少しでも完成度の高い写真を撮っていきたいと思います!


  1. Spring より:

    ありがとうござます。すごく分かりやすい内容でした。wiseさんは人に物事を伝えるのが、とても上手いですね!

    なるほど 明るい部分だけと暗い部分を選択が簡単にできるのですね。hdrをきめ細かく自分で指定できる感じですね!
    これは面白そうです!

    • ワイズカメラ より:

      Springさん

      コメントありがとうございます:)

      参考にして頂けたようで何よりです!
      hdrをきめ細かく自分で指定というのはその通りです:)
      機会があれば是非試してみてください!

  2. mickey より:

    こんにちは、カメラアプリを使ってみました。
    新しく出たのは、朝日や夕日を簡単にハーフNDフィルター無しに
    撮る為のアプリですが、画面を3段階で調整できます。陽の部分、その下の部分
    更に手前の逆光部分と、斜めのアングルや縦にも区切れます。

    長秒アプリでは、撮影枚数が、一番滑らかに設定すると128枚撮影するので
    時間がかかります。

    NDフィルターと比較して撮影してみないと、評価は出来ませんね。
    機材無しの、お手軽には最適です。

    • ワイズカメラ より:

      mickeyさん

      コメントありはとうございます!

      あのアプリを使われたのですね:)
      NDフィルター無しでそこまでできるのがすごいです。フィルターはお金もかかるし手間ですからね・・・。
      これから更に進化すると思うので、その時が楽しみです!
      私もいつかソニーへと考えたり、考えなかったり・・・。

  3. こう より:

    ブレンドの説明を詳しく教えてくださりありがとうございます。とても参考になりました。ところで、ひとつ教えていただきたいのですが、ブレンドとHDRの違いは何なのでしょうか?

    あと、Raya Pro2.0は5,6000円ではなくて、5,600円の間違いではないでしょうか。確認いただけたら嬉しく思います。

    • こう より:

      すいません。HDRとブレンドの少し質問があいまいだったので、少し補足させていただければと思います。
      Wise Cameraさんは、レタッチするときにHDRとブレンドどっちを選択するかはどのように決めているのでしょうか。最近レタッチを勉強していて、NikでHDRをしたらよいのか、Raya Proでブレンドをした方がいいのか迷うことが多々ありまして、アドバイスをいただければ嬉しいです。

      • ワイズカメラ より:

        こうさん

        ご質問ありがとうございます!

        ブレンドとHDRの違いは、自分の好みに細かく調整できるか否かだと思います。

        どちらを選択するかは、撮影した画像次第です。

        HDRはソフトで自動でやってくるので楽です。なので、HDRで簡単に済ませられる時はLrやNIKでHDR合成しちゃいます。

        ただ、もっと細かく調整したい時はブレンドします。
        あと、風景に動きがある場合、例えば今回のような長秒の撮影だと上手くHDR合成できない時があります(雲や波に変化があるので)。そのような時はブレンドします。

        ちょっとあやふやなご返事ですが、ブレンドはやってみると色々と気づくことがあって面白いですよ。
        Raya Pro2.0がなくても自分でマスクを作ってブレンドはできるので、色々と試してみると良いかもしれません:)

    • ワイズカメラ より:

      こうさん

      コメントありがとうございます!
      Raya Pro2.0は正確には49.44ドルです。なので、おおよそ5000円から6000円の間です:)

  4. ゼッド より:

    露出ブレンドは効果てきめんですね!
    Rayaを使えば、ハーフNDは全く不要になりますか??
    ハーフNDが不要になるなら荷物が減って嬉しいのですが・・

    • ワイズカメラ より:

      ゼッドさん

      露出ブレンドは本当に便利です!
      いやーRAYAがあってもハーフNDは必要だなと思うことはありますよ!
      露出ブレンド、ハーフND、それぞれ良さがあるのでシーンに応じてとなります:)

  5. ゼッド より:

    露出ブレンドとハーフNDで、出来上がりが違うので、
    片方があれば他方はいらないということにはならないのですね。
    最新のブログエントリーも読ませていただきました!
    とてもタイムリーで助かります! ありがとうございます! m(._. )m

    • ワイズカメラ より:

      ゼッドさん

      ご返信ありがとうございます!

      やはりそれぞれ一長一短です:)

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