見ていてすっきりする写真って良いですねよ。構図に安定感があって気持ちいいです。
そのためには不要な空間や傾き・歪みを取り除くことが重要ポイントの一つです。もちろん、逆にそれらを写真表現に使う方法もありますが。
ちょっと前に、プロ写真家の方より私の写真についてアドバイスをして頂く機会がありました。
確かに指摘してもらった点に着目すると、本当にその通りだなと良い気付きがありました。
ということで、今回はその写真を修正してみたいと思います。
トリミングと傾き・歪み補正で安定感のある写真へ
まず、この写真。
初雪の「青い池」です。
その時はいい写真撮れたなと思ってブログにもアップしていたのですが、やはりもっと詰めるべき改善点がありました(いや、改善点だらけなのでしょうが・・・)。
では、その改善点はどこだと思いますか!?
改善点はどこ!?
まずは空。
水面の淡い青色と比べて白い曇り空が広過ぎるようです。
確かに言われてみれば無意味な空間です。余計な空間のカットとか最近になってようやく意識し出したので、この時は全然無頓着でした。
この写真を撮影した時を思い出してみると、右上の紅葉した枝を入れたくて上を広めにした記憶があります。それが仇となり無駄な空が広くなってしまいました。結局、枝より白い空に目が行きやすいです。
次に、傾きです。
ん・・・。これも言われてみれば傾いているし歪んでいます。枯れ木は外側へ大きく歪み、水面は何となく右に傾いて見えます。
撮影時はカメラ内蔵水準器を使っていたんですけどね。原因はいくつか考えられます。
- カメラ内蔵水準器の精度の問題
- 木や地面が傾いている
- 広角の歪み
こんなところでしょうか!?
確かに、カメラ内蔵水準器の精度は高くはないようです。微妙に水平を外すことがあります。また、手持ちでの撮影だとシャッターを押した瞬間に傾くとかもありそうです。ちなみに、この時は三脚とレリーズを使用していました。
そして、カメラ側ではなく風景側が傾いている場合も多いです。木が斜めに生えている、地面が斜めになっている、風景ではよくあることです。この場合は単純にカメラを水平にすれば良いという訳ではないですね。
あとは、レンズの歪みもあります。特に広角なら歪みが大きいです。この写真は24㎜を使用し、さらにハイアングル(上から下にカメラを向ける)で撮影していたので画面端の方は歪みやすいです。枯れ木が斜めになっているのはこの影響が大きいと思います。
もちろん、広角特有の歪みを写真の表現で使うこともありますが、今回は不安定感を助長させてしまっているようですね。
ちなみに、私は指摘を受けて初めて意識できましたが、皆さんの写真は大丈夫ですか!?
もちろん、余計なことは考えずに好きなように撮影すればそれで良いのですけどね:)
では、空間と傾きの2つを修正していきたいと思います。
改善点の修正
まずは余分な曇り空をトリミングします。
やはり16:9。
16:9はしっくりきますね。右上の枝が中途半端になりますが仕方ないです。これだけで写真の雰囲気が大きく変わりますね。
本当は撮影の段階でビシッと構図が決まれば良いのでしょうが中々難しいです。トリミングは本当に便利。
ただ、トリミングすると画素数が削られます。私は写真は大きくプリントしたい派なので、やっぱり高画素機が欲しくなりますね。D810の後継機は4,5000万画素とか言われていますがウェルカムです。
次に、傾きと歪みを補正します。
簡単に補正できると思っていたのですが、これは一筋縄ではいかなかったです。
枯れ木の傾きは広角レンズの歪みが原因だと思いますが、水面が傾いているように感じるのは原因がよく分かりません。
ただ、いずれにせよ見ていて不安定なのは確かなので補正の必要があります。
最初は単純に「角度補正」だけいじってみたのですが、枯れ木と水面が相反する傾きだったので全然上手くいかず。思った以上に苦戦しました。
結局、レンズ補正の部分であれこれスライダーを行ったり来たり。
それでこんな感じです。「垂直方向」のスライダーとか初めて使いました。
「青い池」は何度も撮影をしたことがありHDDにも似たような画像がたくさん溜まってます。それらを参考にして補正しましたが、何もない状態からだとしっくり来るまで結構大変だと思います。
それでは歪みの有無で比較します。
Lrってすごい。
ただ、改善後の写真を見ると最初よりは安定して見える気がしますが、はっきり言って正解かどうか分かりません・・・。
元画像と比較。
Before。
After。
枯れ木の歪みも穏やかになり、池の傾きも改善されたように思います・・・。
もう少し感覚を養わないとな:)
まとめ
これからは傾きと歪み、特に傾きには注意していきたいと思います!
あとは無意味な空間には敏感になりたいですね:)
私も水平には気を付けてカメラ内水準器を多用するのですが、その割には写真が傾いてるのでむしろ水準器のせいなんじゃないかと最近は疑心になっています。
水辺の風景の傾きは特に多いですよね。岸の稜線そのものが斜めなら傾いて見えるのは仕方ないのでしょうか。レンズのゆがみなら補正で直しますが、そうでない場合は結局、構図が悪いということで没にしています。
Labattさん
いつもありがとうございます:)
カメラ内水準器はやっぱりおかしいですよね。特にファインダー内の表示は狂いやすいような・・・。
おっしゃる通りで、水辺の風景の傾きが多いと感じます。いつも歯がゆい感じがしています。
確かにそれを含めて構図ですからね・・・。本当に奥が深いと思いました!
いつもありがとうごぞいあます。とても参考にさせていただいています。
ところで、ひずみをとるのはLrの「変形⇒Upright」よりも、レンズ補正の方がよいのでしょうか。よろしくお願いします。
こうさん
コメントありがとうございます:)
Lrの「変形⇒Upright」でも水平・垂直を補正することは可能です。レンズ補正で手動でやるよりも簡単です。
ただ、同じように水平・垂直を補正しても、2つのやり方で画像の見え方が微妙に違ってきます。
今回の場合は、Lrの「変形⇒Upright」を使うと、ちょっと左右が窮屈な感じに仕上がりました。一方で、レンズ補正で手動でやると窮屈な感じがなく補正できました。
ちょっと言葉でのご説明が難しいですが、どっちでもひずみの除去は可能ですが、仕上がりが微妙に違うので、好きな方を選択すると良いと思います。