現像・レタッチ

加算平均でノイズを除去して綺麗な星景写真!加算平均の方法と有効な使い方とは!?

投稿日:2017年3月2日 更新日:

今年も天の川の季節がやって来ました。綺麗な星景写真を撮りたい。

そこで撮影や現像など色々とやっていると気になるのがノイズです。ISO感度を高くした時に出る高感度ノイズってやつですね。

これが少ないと写真はクリアで美しく見えます(もちろん、いい写真が画質で決まる訳ではないのですが・・・)。

そして、高感度ノイズは撮影方法や現像方法によって結構少なくすることも可能です。

その一つの方法として加算平均合成というものがあります。ちょっと難しく感じるかもしれませんが、Psみたいなソフトさえあればすごく簡単にできます。

今回は、「加算平均とは何か!?」「加算平均をする方法は!?」「加算平均への疑問と実験」という3つの視点で書いていきたいと思います。

加算平均とは!?

簡潔に言うと、加算平均とは画像を重ねて高感度ノイズを目立たなくさせる方法です。

高感度ノイズはランダムノイズと言われ、画像一枚一枚で発生する場所が異なります。

なので、画像をものすごく細かく見ると、ある画像ではノイズが出ている部分も、他の画像ではノイズが出ていなかったりします。

ということは、例えば2枚の画像において、ノイズが出ている部分とノイズのない部分を足して2で割る(加算して平均する)とノイズの程度が半分に抑えられます。ノイズを「1」、ノイズなしを「0」と考えると、(1+0)÷2=0.5で結果的にノイズの程度が半分になるということですね。強引な例えですが。

これの枚数を増やしてノイズを0に近づけて行こうというのが加算平均となります。理論的には枚数を重ねる数が多いほどノイズは消えて綺麗になります

スクリーンショット 2016-03-17 18.55.23

これ考えた人はすごいですね。

では、ちょっと実際に見てみましょう。上はISO6400、SS20秒の画像と、下はそれを24枚撮影してPsで加算平均した画像の拡大です。

6400d1a

6400d24a

分かりやすく。右が加算平均です。

どうでしょうか!?

かなりノイズが消えてクリアで綺麗に見えますね。

しかも、加算平均の大きな特徴として解像感が落ちないということがあります。

ノイズを除去するだけならLrのような現像ソフトにあるノイズリダクションでも綺麗になります。ただ、これでノイズを除去するとのっぺりとして解像感が失われるという副作用があります。ペタペタで写真の良さが失われてしまいます。質感も立体感も台無し。

これも比べてみましょう。

上が先ほどの24枚加算平均で、下が加算平均せずに1枚だけLrでノイズリダクションを施した画像です。

6400d24a

6400ra

分かりやすく。左が加算平均、右がノイズリダクションです。

ノイズリダクションの方はボヤけた感じで、木や背景の木目も潰れていますね。

加算平均なら解像感を保ったまま高感度ノイズのみ除去できます

本当に画期的ですね。では、以下でその方法をご紹介します。

ちなみに、長秒撮影した際にできるノイズは別物なのでこれでは除去できません。

加算平均をする方法は!?

まずは撮影方法からです。

撮影方法

撮影方法はごく簡単。全く同じ画像を撮るだけです。

カメラを三脚に固定し、同じ構図と同じ設定で撮影します。特に、構図がずれると後で少々手間がかかるので、カメラをがっちり固定させます。

ホワイトバランスがズレたくらいなら後で修正も効くので大丈夫だと思います。

これで希望の枚数を撮影します。インターバル撮影をすると楽ですよ。

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撮影したらPsで作業です。

画像をレイヤーで重ねる

まずは、加算平均したい画像を全てレイヤーで重ねて置きます。

2017-03-01 22.50.44

Lrからだと画像を選択後に右クリック→「他のツールで編集」→「Photoshopでレイヤーとして開く」ですね。

画像の位置を調整

次に、画像が完全に重なるよう調整します。

まずは、全てのレイヤーを選択。

2017-03-01 22.51.58

そして、「編集」→「レイヤーを自動整列」を選択します。

2017-03-01 22.53.17

これですね。

その後は整列オプションとして「自動設定」を選択します。

2017-03-01 22.53.45

これで画像が完全に重なるように自動整列されました。

ただ、三脚でしっかり固定して丁寧にミラーアップ撮影をすれば、自動整列はしなくても何とかなるかなと個人的には思います。自動整列で逆にずれることもありますし。様子を見てですね。

 

ただ、もちろん画像によっては整列させる必要がありますが、そんな時に自動整列ではうまく行かないこともあります。そんな時は手動で画像を動かして重ねます。

手動で作業する際は、レイヤーを「差の絶対値」にすると良いです。

2017-03-01 22.54.16

レイヤーを「差の絶対値」にすると画像が重なると黒で表示されるようになります。

試してみると、上がずれている状態で、下は重なった状態です。

2017-03-01 22.55.00

2017-03-01 22.55.34

分かりやすい。

スマートオブジェクトに変換

画像を整列させたら、「レイヤー」→「スマートオブジェクト」→「スマートオブジェクトに変換」を選択します。

2017-03-01 22.58.15

これです。

次。

画像のスタック

最後に、「レイヤー」→「スマートオブジェクト」→「画像のスタック」で「平均値」を選択します。

2017-03-01 22.59.36

これで加算平均できます

ノイズが綺麗に消えますよ!

スクリーンショット 2015-11-07 22.37.56

星景写真では地上景で加算平均をすると星がブレます。

自分の使用目的に合わせて加算平均を使うと良いですね。

ただ、ここで私は疑問が・・・。

加算平均への疑問と実験

加算平均への疑問

例えば、ISO6400、SS20秒の画像を24枚加算平均した画像と、ISO800、SS160秒の画像を3枚加算平均した画像。

両方とも合計は8分の時間を掛けて撮影しています(20秒×24枚で480秒、160秒×3枚で480秒)。

これを加算平均した場合、果たしてどちらが綺麗な画像になるのか!?

加算平均は合わせる枚数が多い方が綺麗になるので、24枚合わせた前者なのか、あるいは枚数は少ないが元々ノイズの少ない画像を合わせた後者なのか・・・。

同じ撮影時間を掛けるのなら、より綺麗な方が良いですよね。

それから、何枚くらい画像を加算平均すればノイズが目立たなくなるのか!?

この2点について実験してみます。

実験1(高感度で多い枚数か、低感度で少ない枚数か)

暗い室内にて以下のような写真を撮影します。写真では明るく見えますが、肉眼では真っ暗で何も見えません。

ちなみに、画面左側が緑色なのは葉っぱの緑が反射しているのだと思います。

20170301-_DSC3277 copy

そして、ISO6400、SS20秒で24枚ISO1600、SS80秒で6枚ISO800、SS160秒で3枚をそれぞれ撮影します。

いずれも合計8分の撮影時間です。

そして、それぞれPsで加算平均した画像を比べてみます(写真中央を拡大、画像は無修整)。

6400d24 21600d6800d3 2

どうでしょうか!?

ISO6400、SS20秒で24枚ISO800、SS160秒で3枚の2つを分かりやすく。

高感度ノイズの程度には大きな違いはないようです。若干、「ISO800、SS160秒で3枚」の方が綺麗かな!?くらいです。

しかし、「ISO6400、SS20秒で24枚」の画像は色味やコントラストが悪いです。「ISO800、SS160秒で3枚」はツヤツヤ感があって綺麗。

また、「ISO1600、SS80秒で6枚」の画像も見てみると、色味とコントラストの点で「ISO6400、SS20秒で24枚」よりは良いですが、「ISO800、SS160秒で3枚」よりは汚いです。

ということは、「ISO6400、SS20秒で24枚」と「ISO800、SS160秒で3枚」の加算平均では、高感度ノイズの点では同じくらいと言えるが、ISO6400だと他の点(色味やコントラストなど)で画質の劣化が激しく、これは加算平均ではどうにもならないようです。

なるほど、ISO感度を高くすることによる画質劣化はノイズの他にも多々あるのですね。

ということで今回の実験では、同じ時間を掛けるのなら低感度で長秒撮影した画像を加算平均する方が、たとえ枚数が少なくてもより綺麗な画像を得られるという結果となりました。

実験2(何枚くらい画像を加算平均すれば良いのか)

次に、何枚くらい加算平均すればノイズが目立たなくなるのか試してみたいと思います。ただ、これは使用するカメラによって変わるようです。今回はD750での結果となります。

まずは、ISO6400、SS20秒で撮影した画像を枚数を変えて加算平均してみます。

早速、拡大画像を並べてみます(左上の数字は加算平均した画像の枚数)。

6400d16400d36400d66400d126400d24

いかがでしょうか!?

分かりやすく。

6400d11

ISO6400では3枚から6枚の間で劇的にノイズが減っているように見えます。その後はノイズは減っているものの緩やかな変化です。

ということは、ISO6400では少なくとも6枚の加算平均で効果的となるようです。1枚と3枚ではそんなに違いがないですね・・・。

次にISO3200、SS40秒でも試してみます。

3200d1_copy

ISO3200では1枚から3枚で大きくノイズが減るようです。その後はノイズは減っているものの緩やかな変化です。

なので、ISO3200では3枚は加算平均したいところです。できれば、6枚が良いですね。

最後にISO800、SS160秒でも。

800d6 2

ISO800ではもともとノイズが少ないためか、最初からノイズの減りは緩やかです。

3枚も加算平均すれば十分綺麗かなと思います

ISO800、SS160秒を1枚と、ISO800、SS160秒を3枚加算平均を比べてみます。

高感度の時のような大きな差はないですが、やはり1枚だけよりも3枚を加算平均した方が綺麗ですね。

ということで、ISO6400なら少なくとも6枚は欲しいISO3200なら3枚でなんとか(できれば6枚)ISO800なら3枚で十分だと個人的には思います。

それ以上の枚数を加算平均しても、もちろん画質は綺麗になるのですが、費用対効果は落ちるようです。

以上を踏まえて、加算平均をどう星景に活かすか!?

北海道、天の川

三脚にカメラを固定して星空を撮る場合において、加算平均は地上景のノイズを消したい時に役立ちますね。

ISO400とかISO800でSS2-5分くらいで撮影し、それを3枚ほど加算平均すれば綺麗な地上景を得られるかと思います。

また、星は動きますが上手く重ね合わすことができれば、これも加算平均で綺麗にできるでしょうね。

レタッチについてはこちらも参考に。
参考:天の川の現像方法②!星空と地上景を別々に撮影し合成!クオリティを高めよう!

まとめ

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一度、まとめて考えてみると撮影に活かせる情報が色々と得られます。

これで今年は綺麗な星景が撮れそうです:)


  1. mickey より:

    実験ありがとうございます。
    とても時間が掛かったかと思います。
    お疲れ様でした。

    植物も動物も、あまりいじるな、と云うことですね。

    • ワイズカメラ より:

      mickeyさん

      コメントありがとうございます:)

      手間が掛かりました・・・。
      結局は複雑なことをせずにシンプルが一番ということです笑

  2. hiro.@ より:

    比較検証お疲れ様です。
    スライダーで比較検証するのは実にわかりやすいですね。
    FXとDXの画質比較やレンズ別画質比較にも使えそうです。
    高感度での撮影は妥協との戦いです笑

    • ワイズカメラ より:

      hiro.@さん

      コメントありがとうございます:)

      このスライダーは最近お気に入りです笑
      これから色々検証する時に使えます!

      高感度は画質落ちるし、レタッチ耐性もないしで難しいですね・・・。
      センサーの進化に期待したいです:)

  3. すじこ より:

    シグナル/ノイズ比は加算平均コンポジットに使う枚数をn枚とすると,
    √n 倍になると思います。つまり2枚なら1.4倍,4枚なら2倍,16枚で4倍ですね。どこでいい感じになるかはカメラによって違うと思うのでそこは見極めるしかないのでしょうね。
    星の撮影ですが,固定撮影したものを星で位置合わせをすると,レンズの収差によって,画面端の方で星の位置がずれませんか?(赤道儀で追尾撮影したものを加算平均することは普通に行われていますが)

    • ワイズカメラ より:

      すじこさん

      コメントありがとうございます:)

      画像数とかによっても異なるようですね、2枚、4枚も試しておけば良かったと思っています。

      ズレます!画面のどこかが合うと、どこかがズレます。
      それもどうにか誤魔化して加算平均しましたが、固定撮影では限界がありますね・・・。

  4. 茄子紺 より:

    加算平均の解説ありがとうございました。星景写真は頭も使いますね(笑)ニコンをお使いだと思いますが、「長時間ノイズ低減」はお使いですか?効果はある様ですが、露光時間と同じだけ処理時間がかかる様で、不便ですよね。

    • ワイズカメラ より:

      茄子紺さん

      コメントありがとうございます:)

      星景写真はある意味数学!?のように思います笑

      長時間ノイズ低減は冬以外は必ず使っていますよ、冬は気温が低いのでノイズは出ませんが、少し暖かくなると長秒ノイズが大量に出ます・・・。
      長時間ノイズ低減を使えばこのノイズがしっかり消えてくれます。ただ、確かに待つのは不便です。
      今年はダーク減算と言うものを取り入れてみたいと思います!

  5. セキ より:

    今年阿智、宮古島、サロマ湖に星空を取りに行く予定の自分にはとても嬉しい記事です
    まだまだ編集の方も知識不足なので星空関係のテクニックはとても参考になります
    道東の方には5月終わりに一泊2日の強行軍ですが(笑
    参考にしてキレイな星空を撮れたらうれしいですね

    • ワイズカメラ より:

      セキさん

      コメントありがとうございます:)

      阿智、宮古島とか羨ましいです笑
      すごい星空でしょうね・・・。

      加算平均は固定撮影で星空には難しいかもしれませんが、前景には効果抜群です!
      道東も綺麗な星空が多いので、良い星景写真が撮れれば良いですね:)
      良い天気であるのを祈っております!

  6. Ko より:

    いつも楽しく拝見させていただいています。
    私はダークノイズの減算処理といものに手を出したのですが、外部ソフトウェアを使用しないとできないみたいで。。。
    もし、photoshopでダークノイズ減算処理のしかたご存知であれば、また記事にしてもらえないでしょうか。よろしくお願いします。

    • ワイズカメラ より:

      Koさん

      コメントありがとうございます:)

      ダークノイズ減算は私も興味ありまして、色々と調べてみたのですが、やはりPsでは無理っぽいんですよね・・・。
      もし、分かれば記事にしてみたいと思います:)
      また、よろしくお願いします!

  7. Ko より:

    再び質問失礼します。
    以下のサイトでは、スマートオブジェクトの『平均値』ではなく『中央値』を使った方法が紹介されているようです。
    http://xico.media/tutorials/noise-removal-tips/
    WiseCameraさんの経験で、どちらの方法が綺麗にノイズが消えるといった経験がありましたら、アドバイスいただけないでしょうか。
    どうかよろしくお願いします。

    • ワイズカメラ より:

      Koさん

      コメントありがとうございます!

      私も中央値を使用する例は認識していました。
      私は平均値と中央値の違いを正確には認識していませんが、これはケースバイケースで中央値を使うと良い場合もあれば、逆にノイズが消えにくいということもあるようです。
      確かPsの公式HPでは平均値を使っていたと記憶しています。
      私は今の所、平均値で問題なくノイズは消えていますよ:)

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